やせたい。
いつも思う。
あと10キロくらいやせたい。
無謀だと思う。
思うそばからむしゃむしゃ食べ、どてっと寝転がる。
果てしない弛緩。
筋肉がきたえられる隙を一瞬も与えていないのだから、重力の言いなりになるほかないのだ。
今日もわたしはやせたいやせたいと頭が割れるくらい念じながら、特にそれを行動に移すでもなく、目の前にエレベータのボタンがあれば真っ先に押す。
その点カエルはどうか。
観察していると一日の大半を同じ場所でうずくまって過ごしている。
観察するのに飽きて昼寝をし、起きて見に行くとやっぱり同じ場所でうずくまっている。
体がこりかたまってしまうことはないのだろうかと思うが、たまにハエを見つけたりわたしに触られそうになったりしたときの対応はまことにすばらしい。躊躇のない跳躍。向かう先はどこ?重力とは反対の方向。
やせることは抵抗なのだ。
生きて命をつなぐために、少しでも軽く、細く、しなやかな体で。からめとられてしまわないように。
わたしも思わず腹に力を入れてみる。
(実際はふとっちょのカエルもいる。)
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